まな板の上の龍

その日、みたやつ、よんだやつの記録と感想。作品を100点満点で評価しています。50点を平均点、普通に見られる作品という基準。

クワイエット・プレイス|感想(ネタバレあり注意)

かなりひどい映画だった。

人の声や物音に反応する怪物が現れ、ほとんどの人類が死滅した世界の89日目からはじまる。

政府がどういった対応をしたのか、各国はどうなっているのか、他の人はいるのかといった説明は一切なく、小さな3人の子供がいる家族(小学生の長女、長男、3歳ぐらいの次男、お父さんお母さんの計5人家族)視点ではじまる。

あとからわかるのだが、小学生の長女が難聴で元々家族全員手話を使ったりと音を出さない生活に慣れていたから生き延びたのであろう。

しかし、その音への対策ぶりはかなりずさんであり、不意に音を出してしまうこともあるだろう3歳ぐらいの息子を自由に野放しにしており、結果的に音の鳴るおもちゃに電源を入れてしまい怪物に食べられてしまう。

なぜそのような状況で3歳の子供をちゃんと見張っていないのか理解に苦しむし、その程度の対応すらとれない家族が89日間も生き残れるとは思えない。

その後400日後になるのだが、いきなり母親が妊娠をしている。

まだ小学生ぐらいの子供が2人もいるのに、物音をたてずには出産も育児も困難であろう子供をつくるというのはあまりにも無責任に感じるし、出産後は自分自身もほぼほぼ怪物に見つかって食べられてしまうと思うのだが。。。

このような極限の状態で、どうしようもない夜の描写があるとかならわかるのだが。。。

また、話が進むにつれて、滝などの自然音が大きい場所の横では会話ができたり(その横に住めよ)、他の場所で大きな音を出せば怪物の気をそらせる対処法を知っているのにそれを遠隔でできる準備をしておかない(結局息子が命がけでその場所まで行くという映画の盛り上がりを無理やり作るというご都合主義)、ほんの少しの物音でも飛んでくる怪物であるが普通に暮らしている分には一切現れない、終盤そこそこ物音でているのに怪物が1体しかやってこない、などなどツッコミどころはたくさんある。

そんな映画であるが、売上は全世界で3.4億ドルを超えておりかなりの好実績を残している。謎の宇宙人が出てくるところや、評価と実績が見合っていないところなど、どことなくサインと通ずるものがあるなと思った。

 

評価:7点