まな板の上の龍

その日、みたやつ、よんだやつの記録と感想。作品を100点満点で評価しています。50点を平均点、普通に見られる作品という基準。

アバウト・タイム|感想(ネタバレ注意)

ネタバレ含みます。

いい感じの雰囲気の優しい映画ではあるが、本作でのタイムリープの設定や、主人公のタイムリープの使い方にはしっくりこないものがあります。

本作でのタイムリープの設定は、未来へは行くことはできないが、過去のある時間へ戻り行動をやり直し未来を改変することができるといったものです。過去へ戻ったとしても戻りっきりではなく行動をした後には現在時間へ戻り未来だけが改変されているようです(妹と一緒に大晦日のパーティーまで戻ったときは、幸せを捨てすべてをやり直してでも妹を救いたいと思ったのかと思いましたが、違いました)。ですので、基本的にリスクは無く、自分の好きなようにできます(本編でもでてくる子供が生まれた後に未来改変してしまうと別の子になるという問題はありますが)。

他の作品であるような、この未来を改変してしまうと、また別のところで不都合な問題が発生し、どちらをとればよいのか葛藤しジレンマに悩むといったような所謂タイムリープものの醍醐味みたいな展開はありません。

また、タイムリープの使い方としても、好きになった彼女を落とすためにタイムリープを繰り返すや、結婚のスピーチが気に食わなかったから繰り返すといった自分勝手なものです。

主人公が未来改変しなかった場合の本来の彼女の人生、彼女が別の人間の付き合って歩んでいくはずだった人生をまったく無いことにされており、あんまりにも主人公が身勝手すぎるなと思いました。

この作品を見て評価するぐらいなら、もっと他に良いタイムリープ設定の作品があるので、そっちを見て欲しいなと思います。

評価:50点